横道にそれてもソウルに行けさえすれば良い

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諺で知る韓国の熱い心
第十回 横道にそれてもソウルに行けさえすれば良い
ソウルのイメージ 『横道にそれてもソウルに行けさえすればよい(모로 가도 서울만 가면 된다、モロ・ガド・ソウルマン・ガミョン・デンダ)』という俗諺があります。どうやって行ってもソウルに行けば良いということで、「手段や方法はともかく目的だけ達成すればよい」という意味です。似ている俗諺としては「横道にそれても這って行ってもソウルの南大門にさえ行ければ良い(모로 가나 기어가나 서울 남대문만 가면 그만이다、モロ・ガナ・ギオガナ・ソウル・ナンデムンマン・ガミョン・グマンイダ)」というのがあります。この俗諺の中でソウルは韓国の首都を指し、南大門(남대문、ナムデムン)はソウルの四つの有名な大門の中でも最も大きいもので、崇礼門(숭례문、スンレムン)とも呼ばれます。二つの俗諺とも結構否定的な意味を持っている諺です。「横道にそれてもソウルに行けさえすれば良い」という俗諺は目標達成への願いが込められていますが、どんな方法で行っても目的地に着けさえすれば良いという考えから、過程に関する省察が欠如し、成果だけを重視している結果主義が感じられます。
上のような俗諺から連想できることとして、結果主義と共に韓国のパリパリ(빨리 빨리;早く早く)文化があります。韓国に住んでいる外国人や住んだことがある外国の人に韓国文化の特徴を聞いてみると一番最初に出るものがこの「パリパリ文化」です。韓国の人は色々な場面で「早くください/早くしてください/早くしなさい(빨리 주세요/빨리 해 주세요/빨리 하세요、パリ・ジュセヨ/パリ・ヘ・ジュセヨ / パリ・ハセヨ)」と言っています。コーヒー自販機の前でコーヒーが出る前から蓋を開けて待っていたり、エレベーターのドアが閉まるのを待たずに続けて「閉」ボタンを押していたり、映画館で映画が終わった後エンドロールが終わる前にほとんどの人が出てしまったりする姿など、外国人が指す韓国人のパリパリ文化の上位に選ばれたものです。このように何でも待てない性急な性格を持っている人々が多いのも事実であります。レストランで注文したものがすぐ出ない時、誰かを待たないといけない時、食べる時、インターネットやエアコンの設置などのサービスを頼む時など、生活の様々な状況で韓国人は「빨리 (パリ;早く)」という言葉をかなりの頻度で使っているのを見ます。
韓国のこのパリパリ精神は良いものとしても悪いものとしても考えられます。長所として考えられるのは韓国の近代化や経済発展に大きな役割を果たしたことです。戦後、貧しかった韓国の人は60年代から「パリパリ精神」で真面目に働き、西洋の国々では約200年かかった国家発展の過程を約50年で達成しました。そして、様々な部分で時間を節約し、短い時間内でより多くの成果をもたらしました。現代韓国のサービスの早さ、ITやデジタル、スマートフォン技術の発展、インターネットの接続速度が速い点などはこのパリパリ文化の肯定的な産物として挙げられま す。
一方、短所として考えられる部分は、時間をかけてじっくりしないといけないことでも、短時間で早くしてしまうことです。90年代の韓国では手抜き工事による建物の崩壊事故を経験したことがあります。何でも早く簡単に済ませようとした風潮が原因でこのような事件が起き、三豊(サムプン)百貨店や聖水大橋が崩壊したことがあります。研究成果だけを狙う論文捏造の事件などもありました。他には交通事故です。一秒でも早く行こうとする心情から加速、追い越しなどを犯し、OECD国家の中でも交通事故発生率1位の汚名を着せられました。パリパリ文化のこのような短所をまとめると、「横道にそれてもソウルに行けさえすればよい」という俗諺のように、過程はどうでも構わなく結果だけを重視する「結果主義」が反映していることが分かります。
パリパリ文化からの韓国人の迅速な意思決定能力、行動力、真面目な気質などは良いものとして持ち続けていくべきだと思われますが、パリパリ文化からの結果主義は韓国人が治さないといけないこととしてよく論じられています。経済成長の時期にはこのようなパリパリ精神が比較的に良い物として、韓国人の真面目な性格と共に一つの美徳として思われてきましたが、現代に至っては割と批判的な声が多く、" 「横道にそれてはソウルに絶対行けない(모로 가면 서울을 절대 갈 수 없는、モロ・ガド・ソウルヘヌン・ジョルデ・ガル・ス・オッヌン)」社会にならないといけないのです。"といった主張も出ています。
短い期間の間に高度成長を経験した韓国で育った韓国の人は、常に忙しくなければならないという状況に立たされてきて、自分を振り返る余裕もなく頑張って暮らして来た人が多いです。急激な成長のせいで物質的な面と精神的な面の間に、大きなギャップが生じてしまったことと無分別な発展で失われた伝統が多いのも韓国社会の一面でもあります。これからは、パリパリ文化の良さは維持し、パリパリ文化からの結果主義を排除してより成熟な社会になっていくこと願います。そして、韓国の人もたまにはパリパリよりは「ゆっくり(천천히、チョンチョンヒ)」を求め、余裕を楽しむことができる人になって欲しいです。

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