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第二回 ハングルの科学性

韓国は世界で文盲率が最も低い国の一つであり、その使用言語は韓国語です。使用文字はみなさんもご存知の「ハングル(한글)」です。このハングルは、1997年ユネスコ世界記録文化遺産として指定されました。また、ユネスコは毎年世界で文盲率の低下に貢献した個人や団体に世宗大王賞を授賞しています。このようにハングルが世界的に認定されているのは、ハングルが科学的な言語であるためです。なぜ、ハングルが科学的なのかを説明する前に、世界の言語学者がハングルについて述べたことをいくつか紹介したいと思います。 アメリカの言語学者ガリ・レッドヤード(Gari.K.Ledyard)は、科学専門誌ディスカバリーで「ハングルは独創性があり、記号配合などの効率面で特に際立ち、世界で最も合理的な言語だ」とし、「ハングルは簡潔で、そのため韓国人の文盲率が世界で最も低い。」と述べました。 また、イギリスのリース大学のジョフリー・サンプスン(Geoffrey Sampson)教授は、「ハングルが発音器官を象形して作られたというのも独特だが、基本の文字に一画乃至一字加えて音声学的に同一系列の文字を派生していくことは非常に体系的ですごい」と述べました。ここで、基本の文字の一画乃至一字加えて同一系列の文字を派生させたというのは、「ㄱ→ㅋ→ㄲ」、「ㅈ→ㅊ→ㅉ」、「ㅂ→ㅍ→ㅃ」のことをいいます。これは外国の方は難しく感じる発音でもありますが、ㄱ、ㅈ、ㅂのような基本文字に一画乃至一字加え、似ている発音ながらも発音が強くなることは、韓国語のネイティブである私としても面白くて珍しいと思いました。
それでは、ハングルが科学性を持っている根拠・理由は何でしょうか。私は言語学に精通していませんので、学問的に話すことはできませんが、世宗大王のハングルの作り方、つまりハングルの製字原理にその根拠があると多くの人が述べています。世宗大王は音に基づき、人間の発音器官の形をみてハングルを作りました。口の外形だけではなく、舌や唇、喉の形も象りました。みなさんも理解しやすい例に、「ㄴ(니은、二ウン)」と「ㅇ(이응、イウン)」があります。まず、「ㄴ」と「ㄱ (기억、ギヨグ)」は発音する時、舌が曲がることを象り、「ㅇ」は「오 (オ)」という時に口が丸くなることを反映させました。文章だけでは分かりにくいかもしれませんが、興味がある方は資料などを探してみてください。人間の発音器官の断面図とハングルの形を比較してみると「さすが…!」と思うほど似ていて珍しいと思うようになると思います。
このように科学的に作られたハングルは、パソコンやスマートフォンで最もその便利さを感じる言語です。韓国パソコンのキーボードをみたことがある方はより理解しやすいと思いますが、ハングルキーボードは母音と子音が左右に分かれています。よって、「해 (へ、日)」を打ちたいときは左側にある「ㅎ(히읗)」と右側にある母音「ㅐ(애)」を打ちます。また、漢字圏の国では打った文字を漢字に変換する必要がある一方、ハングルはその必要はなく、入力すると同時に出力できるため、漢字圏の国よりも打つ速度が7倍以上速いという結果も出ているそうです。
今回は韓国語というよりはハングルの科学性について話しました。少し学問的な話もあり難しいと感じた方がいたのではないかと思います。 今までの内容を振り返ってみると、ハングルは本当に優秀な言語であると感じます。しかし、このような優秀性を私のように韓国の人はあまり大きく考えていないような気がします。人間というのはもともと自分が持っていることについての重要性を感じない動物だとは言いますが、それは韓国人はハングルよりもアルファベットを、韓国語よりは英語の勉強に力をいれているせいもあるかと思います。
今年の10月に訪韓したGoogleのエリック・シュミット会長は「世宗大王が住んでいた中世時代の韓国語は、現代の韓国語に変わったが、ハングルという文字だけはそのまま残っている」といい、「ハングルは誰も否定できない韓国文化の要諦だ」と述べました。 彼が述べた通りだと思います。文字や言語はもともとその社会の中枢になります。ということは、自分の文字を軽視すればするほど、その社会の主体性も弱くなると思います。 韓国にはハングル・ナル(한글날、ハングルの日)があります。今は国の祝日になっていますが、以前、この日を祝日から除外した時もありました。幸いにも、言語学者や様々な人の意見により国の祝日として復活したわけですが、この한글날を単なる休日として思うことなく、ハングルの意味をもう一度考えるようにし、世宗大王の民を考える心に感謝する日になってほしいと思います。

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