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韓国語の魅力
第十回 流行語になった韓国語の方言
今回は、前回に続いて韓国の方言、サトゥリ(사투리)について話したいと思います。前回、韓国のサトゥリはいったいどのようなものかを知って頂くため、少し衝撃的(?)かも知れない「ガガ、ガガガ?」を紹介しました。今回は、サトゥリの流行語を紹介したいと思います。今回はサトゥリの意味自体が標準語と違うというよりも、話し方が違う点に着目しています。更に、ギャグ番組(お笑い番組)を通じて有名になった言葉なので本当に面白いと思います。約10年前のギャグであるにもかかわらず、その放送を見た人はいまだにその言葉を覚えているほどなのです。

@내 아를 나도 (ネ・アルル・ナド)
まず単語の意味から説明してみましょう。「ネ(내)」というのは、「ナイ(나의、私の)」の縮約です。「ア(아)」は「アイ(아이、子供)」で、「〜ルル(를)」は助詞「〜を」です。ナドは「産んでくれ」ですが、これを全部まとめてみると「私の子供を産んでくれ」です。
少しおかしくて面白い文章ですね。もちろん、韓国でもこのように直接話す人は全くいないと思います。それでは、なぜこの言葉が流行ったのでしょうか。まず、この文章の裏の意味を知ると理解しやすくなると思います。「내 아를 나도」の裏の意味は「私と結婚してくれ」なのです。
ロマンチックであるべきプロポーズの言葉が、なぜ「私の子供を産んでくれ」になったのかは、この方言をいう慶尚道(ギョンサンド、경상도)の人の特徴と結び付けられます。プサン、デグ、ウルサンなどがこの慶尚道に属します。慶尚道の人が全部そうであるわけではありませんが、一般的に慶尚道の人は無愛想だと言われています。特に、慶尚道の男性はおしゃべりではなく、愛情表現が下手なイメージが強かったのです。そのため、このような慶尚道の男性の性格を反映したのがこの사투리ではないかと思います。「自分の子供を産んでくれ」というのは、自分の子供を産んでもらいたいほどあなたはいい女だということでしょう。なので、この言葉はロマンチックではないですが、女性に対する愛情やその女性との未来を考える慎重さが含まれているのではないかと思います。

A아따,거시기 허요〜(アッタ・ゴシギ・ホヨ〜) 今回は全羅道(ジョンラド、전라도)の方言になります。全羅道は外国人観光客にはあまり有名ではないかもしれませんが、食べ物が美しくて美味しい地域として本当に有名です。KARAのハラとBIGBANGのスンリ、東方神起のユンホが育ったグァンジュ(광주)もここに属しています。韓国人のほとんどが知っている全羅道のサトゥリが、上の「ゴシギ(거시기)」です。まず、このゴシギについて話す前に「아따,거시기 허요」の意味をみましょう。
まず「アッタ」は「おいおい」を意味します。若い世代であまり使っているのをみたことはありませんが、ドラマとか映画などでは本当によくでます。慶尚道出身の人も「アッタ」と話しているのを見たことがありますが、首都圏の人はあまり使いません。次に、「〜ホヨ(허요)」は「〜しましょう」を意味する標準語「〜ヘヨ(해요)」の方言です。最後にいよいよ「ゴシギ(거시기)」ですが、これは私も意味が分かりません、と言うよりこれはもともとの意味がありません。ここが面白い点です。거시기は、何かを指すときによく使われます。または、会話をしている当事者たちが話す対象を知っていてそれを指すときにも使われます。例えば、ビビンバを食べて帰るときに「ゴシギ、美味しかったな〜」というと、相手は美味しかったという対象がビビンバだということを知っています。これは一つの例ですが、色々な場面で使えるのがこの거시기です。
では、この文でのゴシギは何を指しているのでしょうか。もちろん、この文章だけではわかりませんが、ギャグ番組でのゴシギは「結婚」でした。よって上の文の全体の意味は「おいおい、結婚しましょうよ」となります。結局、これもプロポーズだったのです。当時お笑い芸人が恥ずかしそうにこの言葉を言ったのですが、多分「結婚しよう」と言うのが照れくさくて、「ゴシギ」と表現したのだろうと思います。前後の状況を知っている相手の女性は、彼がいう「ゴシギ」が「結婚」を意味することが分かっていたはずですね。

以上紹介した2つの方言は、韓国のギャグ番組「ギャク・コンサート(개그 콘서트)」の「生活サトゥリ(생활 사투리)」というコーナーで紹介され、とても人気を集めました。もちろん、実際このような言葉でプロポーズをした人はいなかっただろうと思います。しかし、慶尚道と全羅道のこの二つの地域の人の事と、その言葉の特性がよくわかる面白い言葉ということで流行ったのではないかと思います。
これ以外にも韓国のサトゥリは、その地域の特性をよく活かしたその地域ならではの魅力を味わうことができます。もし皆さんがどこかの地方に行き、その地方のサトゥリを聞く機会があれば、その意味まで聞いてみることをお勧めします。サトゥリの豊富さにびっくりすると思います。
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