新造語から学ぶ韓国語という言葉と文化 - 第六回 シワールド

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新造語で学ぶ韓国語という言葉と文化
第六回 シワールド (시、嫁ぎ先)とワールド(월드)の合成語で「嫁ぎ先」 
シワールド、怖いワールド?!
みなさんが思っていらっしゃる通りです、何かのワールドです。韓国での発音はウォルドに近いですが、これは元々英単語なのでワールドでも別にいいかと思います。シワールドは「シ(시、嫁ぎ先)」と「ワールド(월드)」の合成語で、「嫁ぎ先」を意味します。イメージが想像できますでしょうか。
 韓国には、夫の家族に関して「嫁」が使われる単語が多いです。例えば、嫁宅(シデク、시댁)は夫の実家自体を意味するよりも夫の家族を意味します。また、シヌイ(누이、姉か妹)は小姑を意味します。韓国ではこのシヌイという存在は嫁においては何か憎らしいか怖い存在です。「殴る姑よりもやめさせる小姑がもっと憎い」という諺があるほどです。
想像してみましょう。今、姑が私を殴っていてその姑を小姑がやめさせています。でも、実はその小姑はいつも私に小言を言ったり、姑に告げ口したりした人です。実は今私が殴られていることも私がお皿を壊したことを小姑が告げ口したためです。どうですか?姑をやめさせている小姑がありがたいと思いますか。逆に、憎らしすぎて腹が立ちますね。こういう意味からこの諺が生まれたのです。 この諺は「直接に悪口を言う人よりも、目の前では相手を配慮するふりをしても実は陰口を言う人の方が怖い」という意味ですが、これを表現するために「姑」と「小姑」を使ったほど韓国で「シワールド」は否定的なイメージが強かったのです。
嫁ぎ先の話はそれがいい話であろうが悪い話であろうが、一般の家庭でもよくあるみたいです。韓国でも私の母と何人かのおばさんが集まって色々なことについて話し始め、その対話の頂点は自分の夫の話と嫁ぎ先の話になることを何回も見たことがあるのです。またこのような一般の人々だけではなく、ドラマなどでもよくテーマとして扱われていたのです。しかし、このように既にあった「嫁ぎ先の話」が「シワールド」という新造語・流行語として生まれた大きいきっかけはある人気ドラマでした。
それは、2012年に放映された「넝쿨째 굴러온 당신」「棚ぼたのあなた」というドラマです。このドラマは視聴率が49%だったほどすごく人気がありました。劇中には成功したキャリア・ウーマンであるチャ・ユンヒ(차윤희)が職場の同僚にこのようにいう場面があります。
「私の夢の中で一つは、能力のある孤児と結婚することだ」
「高所恐怖症よりも怖いのは嫁宅、つまりシワールドだよ!」
ユンヒは、結局ハンサムでマナーもいい、更に能力のある医者バン・グィナム(방귀남)と結婚します。しかも、彼は子供の時に迷子になった人です。ユンヒは夢みていた理想の人と結婚するようになったのです。しかし、その2人の新しい引越し先の隣が何十年前はぐれた夫の家族が住んでいたことで、ユンヒの夫、グィナムとその家族が再会するようになります。グィナムには両親はもちろん3人の妹と再会します。つまりユンヒに3人の小姑ができました。ということは、ユンヒのシワールドがオープンしたことを意味することでしょう。その中でも2番目の小姑はユンヒよりも年下であるにも関わらずいつも憎らしい行動をします。また姑はいい方であるものの、ユンヒと姑の間にたまたま意見摩擦が起こります。このように偶然にあった夫の家族とユンヒが暮らし、様々なことを経験することでどんどん家族という存在の真の意味を探していくということがこのドラマの内容でした。
このドラマをはじめ、「シワールド」という言葉が本格的に登場し、若者は嫁ぎ先という単語よりもシワールドという表現をより使うようになりました。
もはやシワールドはそのまま一つの通常の単語になり、韓国人としてはあまり新造語として感じられないほどになったと思います。学生の私には嫁ぎ先はまだ遠い話ではありますが、嫁ぎ先に関する実話を聞いたり、ドラマをみたりするとぎくりとするようになります。でも幸いな点は、最近のシワールドが激変するほど変わっているということです。まあ、シワールドという単語が嫁たちの口から、そしてテレビから堂々と出ていることだけをみてもその変化は十分感じられますね。
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