新造語から学ぶ韓国語という言葉と文化 - 第七回 チョ・ワールド

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新造語で学ぶ韓国語という言葉と文化
第七回目 妻の実家の家族をあらわすチョ・ワールド 
チョワールド、男しか知らない世界
シワールドやチョワールドについて考えてみたら、どうしても1章にまとめることはできないと思ってこのように2章に分けることにしました。それほどこの2つのワールドは、話の素材が膨大だと思います。ということで、チョ・ワールドで「チョ(처)」というのは「妻」を意味し、「チョワールド」はシワールドとは逆に「妻の家族のこと」を意味します。シワールドは元々あった現象が新しい単語で表現されたことである一方、チョワールドはシワールドに比べると最近になって目立つ現象である同時に最近作られた単語です。
日本もそうですが、韓国では女性が活躍する範囲が大幅に広くなりました。それに伴って働く女性も多く増え、自然に子供の育児に関する問題が社会的な問題になりました。特に終日子供を任せることができる幼稚園がまだ少ない、あるいはその費用が高いという理由などで夫の母か妻の母にまかせる夫婦が多くなりました。このような現状を反映した新造語が「ソンジュ・ビョン」ですが、これは「ソンジュ(손주、孫や孫娘)」と「손주 (병、病)」の合成語で「腰痛など、ソンジュの育児をすることで得た病」を意味します。病を得るほど辛い育児を妻の母に任せた婿としては、義母の顔色を伺うようになるのは当たり前ですね。また、婿としても義母の顔色を伺ったりすることは精神的にストレスになるかもしれません。婿たちがそのようなストレス、プレッシャーなどをネットやテレビなどで共有するようになったことから、この「チョワールド」という単語が出るようになったのではないかと思います。また、昔は「嫁ぐ」ということで女が男の家にいくイメージが強かった一方、今は男女2人が同等になったことで、義母も姑のように発言力などの力を持つようになり、それが婿たちの「チョワールド」を作るようになったのではないかと思います。
このような社会現象を反映した芸能番組も放映されています。「百年(ベクニョン、백년)客(ソンニム、손님)」という芸能番組ですが、「百年客」というのは「長い時間丁寧におもてなしをするお客」の意味で婿を指す単語です。それほど婿は妻の実家にとって難しい存在だったのでしょう。とにかく、この番組は医者・芸能人など様々な婿が1泊2日間妻の実家で暮らすという内容です。もちろん、妻は行かず、婿一人で行くのです。妻の実家に一人でいく婿たちの微妙な表情をみると本当に面白くなります。
その中でも特に人気を集めている人は、皮膚科専門医のハム・イクビョン(함익병)と内科専門医ナム・ジェヒョン(남재현)です。ナムさんは19年ぶりに妻の実家にいったというほど妻の実家と距離があった人でした。そのようなナムさんが妻の実家に行ってぎこちない関係だった義父や義母と親しくなります。朝ごはんを作るのが下手だということで義母から叱られる姿は本当に面白い場面でした。内科医としては能力を認められているナムさんなのにですね。とにかく、このような平凡な日常を義父義母と暮らしながらナムさんはどんどん妻の実家と心的に近づいていきます。
その一方、ハムさんは本当の息子よりも息子のような婿です。太った義母にハムさんが「セイウチみたい」といったら、義母はそれを気分悪くせず笑ってしまいます。また、ハムさんに復讐の機会を狙っていた義母は、水泳にいった時に水泳が下手なハムさんをみてこういいます。「バボ!( 바보、バカ)」と。びっくりしますね、まさかこれが婿と義母の対話なのかと。実は、ハムさんは体重が増加して膝の状態が悪くなった義母に運動をさせるためにそのような言葉を言ったのです。義母ももちろんハムさんの心が分かっていたのです。ハムさんと義母が始めて会ったのが約30年前だそうですが、そのような長い時間を一緒にしたことから、別に説明しなくても理解できる関係になったのでしょう。最近までも、2人は義母のダイエットのためになんだかんだと口げんかをしています。「食事量を減らした方がいいです!」、「嫌だよ。80歳の老人が食事減らすと死んじゃうよ!!」と。2人をみていると面白いと思うようになると同時に何か心が温かくなります。ハムさんが「国民婿」と呼ばれるようになったのは、このように感じている人が私だけではないということの証拠ではないでしょうかね。
シワールドだろうがチョワールドだろうが、とにかく自分の家族ではない人々と会うということは本当に難しそうです。でもハムさんやナムさんをみていると、必ずしもそうではないかも、という気持ちにもなります。
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