新造語から学ぶ韓国語という言葉と文化 - 第八回 メンタル・ガブ(멘탈갑) 

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新造語で学ぶ韓国語という言葉と文化
第八回目 メンタル・ガブ(멘탈갑) 
甲、乙の声を聞け!

ガブ(갑、甲)は今まで扱った新造語とは違って合成語ではないですね。また、韓国でも日本でも契約などでよく使われる、既にある単語ですね。ですが、最近この「甲」は契約以外の意味でも韓国でよく使われています。また、漢字そのまま「甲」ともよく書かれ、ハングルでも「갑(ガブ)」ともよく書かれます。さて、この甲はどのような意味で使われているのでしょうか。大きく分けて2つの意味を持って使われています。
まずは、何かの分野で最高である人を呼ぶ時に甲がよく使われます。その中でもよく使われるのが「メンタル・ガブ(멘탈갑)」です。メンタルは元の意味通り精神や心などを意味し、それで「メンタル甲」は「精神的に優れた人」をさします。キム・ヨナ選手がいい例ですね。いつも「転倒などは心配していないです。今までちゃんとできたので、本番でも全く問題はないと思います。」といい、そう言ったとおり本番でも素敵な姿を見せてくれるヨナ選手は「メンタル甲」だとよく言われます。この意味での甲は別に韓国だけではなく日本などにも適用ができますね。イチロー選手が体のリズムを壊さないために昼ごはんはいつも同じカレーをたべるということを聞いたことがありますが、私はその時「食べたいものは色々あるはずなのに…。メンタル甲だな。」と思ったのです。
 もちろん「精神的に悪い人」にも「メンタルガブ」を使います。この時のガブは悪いことの一番という意味でしょうね。ですが、よく使われるのはやっぱりいい意味の時です。
甲の次の意味は契約関係での甲乙と少し関わりがあります。例をみるとその意味がより理解しやすいと思いますので「王常務事件」を紹介したいと思います。(ちなみに、王(ウァン、왕)は名字です。) 今年の4月、大企業の常務理事であった王さんは大韓航空のビジネス席に搭乗しました。彼は、隣の席が空いていないということで乗務員に悪口を言い、何回もラーメンの作り直しを命令し、雑誌で乗務員をなぐるという行動までやりました。彼の悪行はこれだけではなかったのですが、上のような彼の行動が世間で広がり、全国的な非難を受けるようになりました。結局、王さんは常務理事だったにも関わらず会社を辞めざるおえなくなりました。その時に、この事件について扱った記事のタイトルとしてよく出たのが「甲の横暴」でした。つまり、社会的に地位が高い人を「甲」で表現し、そのような甲が自分よりも地位が低いと思われる人に人格などを無視する行動をすることを「甲の横暴」と表現したのです。乗務員の親切なサービスを、まるで地位が高い自分のための当たり前の行動だと錯覚してしまったのでしょう。ある記事では「王になりたかった王常務」というタイトルを使いましたが、まさにそのとおりですね。今の時代に社会的地位って、あり得ないです。
幸いなのは、このような甲が権力を間違った形でふるえないよう、声を出している人が多いということです。約2年前、美術大学として有名な弘益(ホンイク、홍익)大学側が学校内の派遣掃除労働者に人間的な待遇をしていないことが学生たちに広がりました。それでその弘益大の学生たちは自ら掃除労働者のためのデモを行ったり声明を発表したりするなど、学校側の改善を要求しました。その結果、改善を要求する声は全国的に広がるようになりました。 韓国は国民によって独裁政権から抜け出し、民主主義を回復した歴史があります。そのような精神がその当時の世代の人々はもちろん今の世代にまで続いてきたのではないかと思います。
実は、韓国はまだ解決すべき「甲の横暴」がたくさんあると思います。しかしその一方、「黙っていると何も変わらない、声を出して甲の横暴をやめさせるのは私たち乙がやるべきだ。」と主張している人々がいる以上、甲の横暴は続かないと強く信じています。みなさんの中ではソウル旅行に行った時、ソウル市庁の前あるいは光化門(グァンファムン、광화문)広場などでデモをやっているのを見たことがあるかも知れません。あるいはこれからみる機会があるかも知れません。その時、それが何の内容かは知らなくても、少なくてもそれを「うるさい!」と考えることなく、自分の声を出すために努力している人として見て頂けたらと思います。あ、もちろん「イエス天国、不信地獄」と叫んでいる人々は例外かもしれないですけどね。
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