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第九回目 ケミ(케미) 

ケミ?あの微妙なもの!
個人的には本当に面白く、更に若者らしい単語だと思います。
「ケミ(케미)」という言葉は、科学を意味する「ケミストリー」の前の2字を取った単語です。ケミは「男女2人の間に起こる化学反応」を意味することで、2人の間で何か微妙なことが起きていると感じられる時によく使われます。例えば、あるドラマで主人公の男女がよくお似合いで、そのカップルに感情移入されたり、2人が本当の恋人関係のように感じられたりする時、「あの2人のケミすごいね」のように言うのです。だいたいどのようなイメージか分かりますね。 しかし、これがもっと面白くなるのは男同士のカップルにも使われる時です。またそれは、私が「ケミ」という単語を紹介しようと思ったきっかけでもあります。最近のドラマとか映画では「男男カップル」がよく出ています。普通は友達関係とか先後輩などの関係で、その2人の相性がよくてその2人が出る場面を待つほど好きになる時などに「男男カップル」、「ケミカップル」などと呼ぶのです。
私はこのように男女関係だけではなく、男同士のカップルを考えることに拒否感がなくなった背景の一つは、「同性愛」ということに対する認識の変化だと思います。
キムジョ・グァンス(김조광수)という映画監督はご存知でしょうか。彼は同性愛者です。彼が同性愛者だというのは既に知られていましたが、最近彼は再び世間の話題となりました。彼が19歳下の同性愛者と結婚式を行ったためです。2人は淸溪川(チョンゲチョン、청계천)の前で「当然な結婚式、ある素敵な日」というタイトルで結婚式を行いました。しかも、彼らは婚姻届を提出するといいましたが、韓国はまだ法律的に同性愛者の結婚を認めていません。日本も含め全世界でも同性愛者同士の結婚を認めている国家は多くないですね。
 また、もう一人紹介しますと、約13年前に韓国で初めて自分が同性愛者であることを自ら発表した芸能人がいます。ホン・ソクチョン(홍석천)という人ですが、彼はその発表をした後、どの番組にも出演できなくなりました。しかし、今の彼は誰よりも活発に活動していて、大韓民国(デハンミングック、대한민국)トップ・ゲイという愛称で呼ばれるほど人気を得ています。しかし、こうなるまで彼は性的少数者に関する認識を変えるために絶えず努力をしてきました。彼は「私たちを理解してください」ではなく、「認めはしても理解はできないと言ってくださるだけでありがたいです。それで十分です」といい、少しずつ大衆に近づいていったのです。私は、同性愛に対する韓国人の認識を変えた最も大きなきっかけは、このホンさんが大きく貢献したと強く思っています。
このように韓国の性的少数者に関する認識がどんどん良くなり、彼らをある程度理解するようになった人が増えたとはいえ、まだ差別的な考え方を持っている人も多いです。実は、キムジョ監督の結婚式にも汚物をかけた40代の男がいましたが、その時彼は「人糞と味噌を混ぜたのが同性愛の現実だ」と言ったのです。もちろん、その40代の男のように極端ではないでしょうが、同性愛を嫌悪する人は確かに少なくないのです。私としても同性愛者を男女間の関係と完全に平等にみることはできないからです。
最近韓国で同性愛をテーマに扱う番組、ネットマンガなどは確かに増えました。それは人々の関心が高まったともいえるでしょう。また、男女だけではなく、男同士のカップルにもケミという単語を使うようになるほど同性愛に関する認識も変化したのです。しかし、ドラマのように仮想の人物にはケミと名づけ楽しむ一方、実際の男同士のカップルにはケミという単語を全く使っていないという事実は、まだ同性愛に関して完璧にオープンではないということではないでしょうか。同性愛は、それを反対する人も賛成する人も理解するには本当に難しい課題ですね。 みなさんは同性愛についてどう思いますか。
*参考*
キムジョ・グァンスの名字について少し話したいと思います。彼の名字はキムジョですが、普通の韓国人の名字とは少し違いますね。実は彼の父の名字がキムで、母の名字がジョです。このように、かなり前から父の名字と母の名字を一緒に使う人が出てきました。「どの名字を使うかは自分の選択に任せ、父の名字だけを使うという、いわゆる「戸主制」は男女性差別の根源になる」というのが彼らの意見です。まだ韓国では父の名字を使う人がほとんどで、私も父の名字を頂いていますが、キムジョ監督を始め、両方の親の姓を使う人々のこのような行動は本当に意味深いものだと思っています。

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