新造語から学ぶ韓国語という言葉と文化 - 第十一回 カンジャンニョ 「醤油女」 

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新造語で学ぶ韓国語という言葉と文化
第十一回 カンジャンニョ 「醤油女」
カンジャンニョ、少し塩辛くてもいいじゃん!

カンジャンニョは流行語よりは韓国社会を反映している単語だと考えましたのでみなさんに紹介しようと思いました。カンジャンニョは「カンジャン(간장、醤油)」と「ニョ(녀、女)」の合成語です。
この言葉を直訳すると「醤油女」になりますが、醤油女ってなんでしょうか。
醤油は塩辛い味がしますね。韓国語で塩辛いは「짜다 (チャダ)」ですが、この「짜다」は塩辛いという味の意味だけではなく、「けちだ(인색하다)」という意味もあります。カンジャンニョはこの「けちだ」と関係がある単語で、カンジャンニュは「けちな女」を意味するのです。しかし、普段は「けち」というのがお金を節約しすぎるという少し否定的なイメージを持っている一方、カンジャンニョは否定的なイメージではありません。むしろ、合理的な消費をするためにお金を節約する女性を意味するのです。あるいは、贅沢なものにはけちでも使う必要がある時にはしっかりお金を使うという意味もあります。例えば、毎日歩いて出社するために高級ハイヒールではなく、足の健康を考えてランニング・シューズを購入する女性がカンジャンニョなのです。また、同じ商品を買うために色々な情報を収集し、最も安い手段を探す女性、あるいはそれに上手な女性もカンジャンニョです。
このカンジャンニョに対する反対語があります。約10年前にできた「デンジャン(된장、味噌)ニョ」という単語です。これは自分の消費能力以上に消費をしてしまう女性を意味する単語で否定的なイメージを持っています。今もかなり使われている単語です。例えば、親のお小遣いだけで生活しているのに高いブランド品をよく買ったり、毎日スターバックスに行って時間を費やしたりする人がデンジャンニョの典型的な例です。「スターバックスのコーヒーの味が好き」ということではなく、「そこで時間を費やしている自分が何かおしゃれに感じられる」というあくまでも自己満足あるいは自己誇示する女性がデンジャンニョなのです。このようなデンジャンニョのため、高い商品を買ったり、高いサービスを利用する女性をデンジャンニョと誤解するケースも多かったのです。デンジャンニョ(된장녀)は、ただ高級なものが好きな人ではなく、あくまでも自分の能力以上に消費する女性を指す言葉なのです。経済的能力さえあれば何を買うかはあくまでも自分の自由ですけどね。
カンジャンニョとは違ってデンジャンニョの語源は明確ではないですが、郷土的で何か国産のイメージが強い「デンジャン」を使うことで「いかにもブランド品を着てスターバックスコーヒーを飲んでいても、それをしている人はまだダサイ」という何かの皮肉の意図があったのではないかと思います。
しかし、どんどんとそのような消費形態が多く変化し、より合理的に消費しようとする人が増えました。高級品だからといって買うのではなく、本当にお金を払う価値があるのかについて考えるようになったのでしょう。
俳優アンジェリーナジョリーが授賞式に着ていたブラック・ドレスがたったの26ドル(約2500円)だったということが話題になっていたことがあります。その時、多くの人が「いくらの服を着るのかが重要ではない。その服を着る人が誰かが重要だ。」といいましたが、これは当時の人々の認識を表す例ではないかと思います。
また、韓国女性の関心がとても多い化粧品の場合も、外国の高級ブランドと比較してその機能に差がなければ、より安い製品を使うという認識が広がりました。特に、ブログなどで同じ機能をする化粧品を比較した結果や商品評価などを共有することがかなり一般的になりました。あるいは、百貨店でどんな製品なのかを確認した後、自分に合うと判断するとネットで安く買うという人もかなり多いです。このように認識が変化したのは経済不況が原因で、一時的な現象だという人も少なくないですが、理由はどうあれ合理的な消費をする人が増えたということは社会的にいい現象だと私は思います。
カンジャンもデンジャンも実はなくてはならない本当に美味しくてありがたい存在だと思います。特に、韓国のデンジャンは長い時間熟成・発酵させることで、香ばしくて深い味を持っているのです。このようなデンジャンの名を汚したデンジャンニョたちは正しくデンジャンに謝るべきですね。
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