新造語から学ぶ韓国語という言葉と文化 - 第十四回 ドゥンゴル・バックパック 

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新造語で学ぶ韓国語という言葉と文化
第十四回 ドゥンゴル・バックパック
ドゥンゴル・バックパック、まだその重さが感じられない学生へ。

「ドゥンゴル・バックパック」は「ドゥンゴル(등골、背筋)」と英語backpackの合成語です。日本ではバックパックよりもリュクサックと呼ぶことが多い気がします。「バックパックの一つの種類?」と思うかもしれませんが、「ドゥンゴル・バックパック」は「親が負担を感じるような高価なバックパック」を意味します。それでは、なぜ「ドゥンゴル(背筋)」という単語を使うのでしょうか。それを考えるためには韓国のいくつかの慣用語を知っておく必要があります。
*「ドゥンゴル・ペダ(빼다、抜く)」:背筋を抜く
*「ドゥンゴル・フィダ(휘다、曲がる・たわむ)」:背筋が曲がる

上の二つの表現ともあまり気持ちよくなく、何か痛みが感じられるような表現ですね。少し穏やな表現に言い換えると「腰(ホリ、허리)が曲がる」という表現もあります。
腰が曲がるというのは何かの作業を長い時間やってきた人に現れることが多いですね。なので腰が曲がるというのは「苦労」を意味する時が多いと思います。日本語の表現でも「苦労」と似ている意味として「骨折り」がありますね。それでは、親が負担を感じるような高価なバックパック、つまり「ドゥンゴル・バックパック」はどのような背景で生まれたでしょうか。
成人男性が自分の時計や車などで自分をアピールしたり、成人女性はブランド品などで自分をアピールしようとすることと同じように、今の学生たちは自分のバックパックで自分を表現しようとしているそうです。しかし、そのバックパックは自分の個性をアピールしようとするよりも流行に遅れないための手段のように思われます。自分の個性を表すバックパックを持つということよりも「みんなが持っているから自分も買う」という意識が強い気がします。もちろん、流行に乗るということは青少年の時期には普通にある現象であまり問題ないと思います。他の人に自分がどう見えるかが最も重要な時期がその時期だからですね。
しかし、問題になるのは流行っていることが学生の小遣いでは得られないほど高価である時でしょう。新学期になると、百貨店はもちろんネットなどを見みるとどのようなバックパックが流行っているのかが一目で分かるようになります。しかし、その金額を見ると本当にこれが学生用なのかと目をこすってみるようになります。
「ドゥンゴル・バックパック」という言葉が生じたことは、このようにバックパックが学生の物としては非常に値段が高いためだと思われます。
この「ドゥンゴル・バックパック」が出る前にも親の背筋を曲げそうな流行品がありました。有名アウトドア・ウェア「ノース・フェイス」のウィンドブレーカーが全国の学生たちの中ですごい人気を集めました。高価なウィンドブレーカー自体も問題でしたがそれよりも問題になったのは、学生の中で「ノース・フェイス」のどの製品を着ているのかによって、等級がつけられるということでした。例えば、約7万円のジャンパーを「大将」と呼び、価格が安くなるほど「お金持ち坊ちゃん」、「中上位圏」などと呼んだのです。安いとは言えなさそうな約2万円のジャンパーが下級のレベルに分けられたほど大きい問題だったのです。
それで、この「ノース・フェイス」の製品は全国的に「ドゥンゴル・ブレーカー」と呼ばれるようになりました。「親のドゥンゴルを曲げるウィンドブレーカー」という意味でそう呼ばれたかもしれませんが、ブレーカの意味ので「壊す」という意味もあることを考えてみると「親の背筋を壊す」という、とても過激的な意味を内包していたかもしれません。
もちろんこの問題が全国的に問題になり、親にノースフェイスの製品をねだる子供は親のことを考えない悪い人として認識される風潮が広がり、その後どんどんノースフェイスに対する人気は低くなりました。しかし、それは高価な物が流行る現象がなくなったというよりもその対象がウィンドブレーカーからバックパックに移っただけです。私にも青少年だった時期がありましたのでその心が理解できないことではありませんが、今の学生はちょっとひどいのではないかと思います。数年後、社会人になって自らお金を稼いでみれば親の心や苦労が理解できるでしょう。来年、企業に入社する私も今になって子供に対する親の心を少し理解できるようになったからです。
何年前、このノースフェイスが青少年の中で人気だったとき、ノース・フェイスの社長がある媒体とのインタビューで「自社の第2の市場は韓国だ。韓国は山地が発達していると聞いた。それが自社の製品が愛される理由みたいだ」と話したことがあります。真実を知らない外国人はそれを聞いてうなずいたかもしれませんが、当時の韓国人はそれを聞いて微妙な表情になり、吹き出しそうな笑いを抑えていたのです。
何年前の自分のその発言について社長は今どう思っているでしょうかね。
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