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第六回 韓国語の発音を良くするために知っておきたい5つのコツ

語学の勉強において、欠かせない「発音」。 ネイティブ並みの発音の優れた人を見て、「あの人は、どうやってあんなにキレイな発音を駆使するんだろう。」とか「生まれ付きの何かがあるんだよ。」とか、ただただ憧れの目で眺めたことはありませんか? 発音が重要であることは分かりながら、努力で出来るものではないと短決し、単語や文法に力を注ぐ学習者が多いです。しかし、「発音」ほど上級者に見えかけ、努力の成果が出るものはありません。
ここでは、韓国語の日本人学習者が、より上手く発音を駆使するための最も基本的な5つのコツを、自らの講師経験を基にご紹介いたします。この5つさえ抑えとけば、誰でもキレイな韓国語を使えこなせます。 それでは、ハングルの構造から覗いてみましょう。

1.ハングルの形を真似して、口を動かす!?
皆さん、ハングル文字は発音器官の形を取って造られたことをご存知ですか?
世宗(せじょん)大王がハングルを創造するとき、大きく2つの創造原理がありました。
<ハングル創造の2つの原理>
  ・文字の模様を発音器官や天・地・人の三才から型を取る。
  ・基本文字を基に残りの文字を造り、組織性を高める。

このうち、14個の子音は人間の発音器官から型を取ったもので、 ㄱ、ㄴ、ㅁ、ㅅ、ㅇ の5つの基本字に音の類似性や強弱を考慮し、画を足したものです。

<加画の原理>
ㄱ → ㅋ ㄴ → ㄷ → ㅌ → ㄹ ㅁ → ㅂ → ㅍ ㅅ → ㅈ → ㅊ
つまり、口の開き方や舌の高さなど、文字の形を真似することが、すなわち良い発音に至る王道なのです。
こちらを見てください。
こちらは子音の基本字のうち、「 ㄱ 」の音の出る所です。舌の甲が軟口蓋に当る模様をしてますよね。その舌の巻き方が実際に「 ㄱ 」の形をしているのを簡単に確認出来ます。 このように、形を真似することによって、的確でキレイな発音になるのです。

2.日本語から韓国語を学ぶ!?
韓国語に日本語にもある発音があったら、これほど嬉しい朗報はありませんよね。 結論から申しますと、日本語には韓国語と同じ発音が存在するんです。
一番簡単な例として、母音の「 ㅏ 」の音は日本語の「あ」の音と同一します。こういう類似性は「バッチム」からよく見られます。

<類似する音の例(バッチム編)>
1.「ㄴ 」 : 「おんな(女)」の「ん」
2.「 ㄷ 」 : 「おっさん」の「っ」
3.「 ㅂ 」 : 「いっぱい」の「っ」

     これらの例から気になるのは、同じ「っ」なのになぜ別の音になるのかということですよね。
実は、日本語の「ん」や「っ」は後ろに続く文字によって音が異なってきます。例えば、「おんな」の「ん」に続く「な」は、アルファベットで表記するとき、[NA]と表記しますよね。韓国語での「 ㄴ 」の発音記号は[N]。つまり、日本語の「な」の子音[N]は、韓国のバッチム「 ㄴ 」の[N]と一致するのです。その他にも、「おっさん」の「さ[SA]」は「 ㄷ 」の[S]に、「いっぱい」の「ぱ[PA]」は「 ㅂ 」の[P]に該当します。 このように、なるべく母語に近い発音を探し出し、練習を重ねて行けば、キレイな発音により早く辿り着くでしょう。

3.発音のルールを押さえとく
ハングルの特徴には色々ありますが、一番の特徴と言えるものは、子音と母音が絵のように組み合った立体形をしていることです。 日本語の場合、母音と子音が合体されて(「か」=K+A )一つの文字になることに比べ、韓国語は英語のように子音と母音が区別された( 가 = ㄱ+ㅏ )言語です。 ところが、英語と同じ仕組みをしているのではありません。日本語と英語が文字を並べて一つの単語を構成するに比べ、韓国語は子音と母音が音節単位で組み合っています。例えば、「 강 (川)」という単語は、「かわ」や「River」と違って「 ㄱㅏㅇ 」と並べるのではなく、「 강 」と立体的な形をしています。 このような話を序論に長くする訳は、こういった特徴から様々な発音のルールが生まれるからなのです。連音化、濃音化、激音化、音の添加…など、前後の子音や母音が影響を与え、時には後ろの音節にくっ付いたり、全く違う音に変わったりします。 最も分かりやすい例として、「連音化」を挙げてみましょう。

<連音化による発音の変化>
김치가 맛있어 요.(キムチがおいしいです。)
[맏읻어](X)
[마시써](O)
本来の発音通りであれば、「おいしい」という意味の「 맛있어 」は一行のように[맏읻어]と発音するべきですよね。
しかし、ここでは「 맛있어 」の二文字目の「 있 」と三文字目「 어 」が母音だけ、つまり子音が空っぽな状態になるため、「 맛 」の「 ㅅ 」、「 있 」の「 ㅆ 」がそれぞれ次の「 있 」と「 어 」に移り、「 시 」と「 써 」になります。という訳で、「 맛있어 」の正しい発音は「 마시써 」になるのです。 この他にも、様々な規則が存在します。こちらでは、これ以上細かい説明はいたしませんが、一つだけ皆さんに覚えて頂きたいのは、「各音節の音を重視するように 、発音のルールも覚えること」です。音節一つが読めるからといって、文章が読める訳ではありませんよ。

4.カタカナのルビは付けない
日本人学習者に限らず、語学の学習者がよく犯す、間違った勉強法があります。 文字の下に母語で「ルビ」を付けることです。 よく、歌の歌詞に読みやすいように読音をつけること、ありますよね。ま、大好きなアーティストのライブ直前に、 必死に振り仮名を付け、猛練習をすることは、速攻で歌詞を覚えるためには御尤もでしょう。わたくしも、そういった経験がございます。 しかし、応援のための歌詞は覚えられるかもしれませんが、言葉を覚えることには繋がらないということです。無論、文章を丸ごと暗記することも、素晴らしい一つの勉強方です。ただ、発音の勉強には最大の敵になるのです。
「人間は慣れる動物である。」という言葉をご存知ですか。 一度慣れたことには驚くほどの適応力を見せます。ハングルにルビを付けることも、これと同然です。少し大げさに思われるかもしれませんが、最も目に馴染んでいる日本語のルビが視野に入ってくる瞬間、無意識的にルビに頼ることになり、正しい発音に至りかねます。かりに、その単語を覚えたとしても、日本語としての発音とハングルの文字が一つのセットとなっただけで、寧ろ発音の矯正に悪影響を与えるだけです。「 김치 (キムチ)」がそのまま「キムチ」と固まってしまったのも、代表的な例になるでしょう。 最初は時間が掛かるかもしれませんが、粘り強く一文字一文字ゆっくり、一文字でも正しい音を出すことが何より大事です。

5.聞きながら見る、書きながら言う
発音の訓練に因んで、音声ファイルをリピートすることはとても重要です。 ただ、聞き流すだけでは訓練になりませんよね。どの勉強方にも当てはまることですが、「何をするのか」より「どうやってするのか」が要になってきます。語学を勉強するときは、ただ聞くだけ、ただ読むだけではなく、全ての感覚を使って勉強することが大事です。

<正しい発音の練習法の例>
1.聞きながら見る
「 김치가 맛있어요. (キムチがおいしいです。)」
→ 耳では音声ファイルを聞きながら、一文字ずつペンで追っていきます。
 この段階では、正しい音の出し方を確認します。一文字ずつペンで追っていくとき、発音器官の確認や発音のルール など、1~3までの項目を細かく確認していきます。
2.書きながら言う。
「 김치가 맛있어요.キムチがおいしいです。)」
김치가 맛있어요.
→ 単語や文章を書き写しながら、書くスピードに合わせて音に出します。
二つ目は、頭に入れた音を自分の音にする段階です。ここで注意する点は、連音化のような発音のルールに従い発することです。一文字ずづ音に出すからといって、[맏읻어]と発音してはいけないということです。[마시써]と発音しながら書いていきます。 二つの段階が上手く進んだら、今度は空白の紙に音声ファイルだけで書き取りの練習をしてみましょう。

話を纏めますと、韓国語はハングル文字特有の構造から、日本語や英語では見られない様々な発音のルールを持っています。 こちらでご紹介した5つのコツさえ熟知すれば、どなたでもネイティブ並みの韓国語を駆使することができます。一見、複雑で難しく感じられるかもしれませんが、実際にはどのテキストにも明記されてある基本的なことです。 同じく、語学を勉強した者として、少しでも皆さんの力になればいいと思います。何より大事なのは、「焦らないこと!」です。 ファイテイン(화이팅)!